在宅医療専門診療所の開設基準の緩和について③

投稿日:2015/04/23

3月の中医協で打ち出された方向は以下の通りです。
ここは重要なところなので、中医協の資料をそのまま引用します。(ただし太字は筆者による)

【3月18日の資料より】
外来応需体制をとることを原則とするが、今後の高齢者の大幅な増加等への対応として、在宅医療の確保が求められることから、現在の在宅医療の提供体制を補完するため、以下の1)及び2)の対応により、全ての被保険者に対して療養の給付を行う開放性を担保できる場合には、保険医療機関が往診及び訪問診療を専門に行うことができる

1) 保険医療機関は、被保険者が相談等に容易に訪れることができ、相談があった際に対応する体制を確保する。また、緊急時を含め、保険医療機関に容易に連絡をとれる体制を確保する。

2) 往診及び訪問診療を、地理的に区分された提供地域内で行うとともに、当該地域をあらかじめ明示し、その範囲内の被保険者について、求めに応じて、医学的に必要な往診や、訪問診療に関する相談を行い、正当な理由なく診療を拒否しない。(例えば、特定の施設の居住者のみを診療の対象とはできない。)

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結論としては、2016年から、在宅専門(訪問診療)専門のクリニックがOKになりそうですね。

ただし条件となる2つの項目について、1)の件は、特に気にしなくても容易にクリヤーできると思いますが、2)の件は非常に気になります。

「特定の範囲とはどういう意味か」、「結果的に特定の施設の居住者のみを診療の対象としてしまった場合のペナルティを課すか」がどういう形で決まるかで、クリニック側の経営に大きな影響が出そうです。

もし、2つの老人ホームにしか行っていないクリニックがあって、2つとも同じ会社が経営する施設だった場合、「特定の施設しか行っていないのでペナルティが発生する」ということになると、経営的に大きなマイナスです。

ちなみに個人的な意見になりますが、どうせ改革するなら中途半端な方向に着地させるのではなく、在宅専門クリニックの中で、さらに施設訪問専門タイプを作っていく方が、効率性が上がって良いのではないかと。例えば、今よりもっと施設訪問の報酬を下げてしまい、逆に、施設訪問専門のクリニックじゃないとやっていけないとした方が、大規模化のメリットや運営のノウハウが生きてきます。

個人宅を1件1件訪問するクリニックの運営ノウハウと、施設を訪問して複数の患者さんを診るクリニックの運営ノウハウは共通部分もありますが、違いも大きいのが実際です。

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